バンコクでは雨が降り始めていたが、コンケーンは晴れていた。ビエンチャンへ陸路で入るならウドンターニ経由が定番だが、ウドンターニの置屋は低調著しい模様だし、以前から気になっていたコンケンの夜遊びスポットを調査してからラオス入りすることにした。目的は、置屋の実地調査と、コヨーテバーの潜入調査だ。コンケン空港からのタクシーはメーター料金に50バーツ加算で140バーツ、約10分ほどで中心街のホテルに到着した。今回利用した「Phanthipha Residence Hotel」は2000円台で泊まれる手頃なホテルでWIFIも問題なかった。また、ホテルのスタッフは爽やかで物腰の柔らかい青年だった。
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ホテルを出て19時から調査開始。街を歩いてみた第一印象はウドンターニより栄えていて賑やかな場所が多い。コンケンのセンタンを見て回った後、20時にシーチャン通りの北側にあるらしいカラオケ置屋を探した。目当ての通りは人気がなく薄暗いので入っていくのを躊躇する。意を決して暗闇の中を入ってみる。歩いていると途中で一軒だけ明かりが見えてきた。しかし、そこはカラオケ置屋でなく美容室だった。通りの両サイドは民家だろうか。暗い道が続いている。歩を進めていると暗黒の中から声がかかった。驚いた。よく見ると暗闇の中に座っている娘が2人いた。可愛いような気がするが暗くて良く分からない。立ちんぼだろうか。調査を続けることにした。少し歩いた先に軒先の暗闇に娘が一人座っていた。こちらは特に声はかけてこない。立ちんぼではないのか。東西の道を突き当たりまで歩くと、洒落たレストラン群の明かりが急に現れた。突き当たりを右に曲がり、南北の道をシーチャン通りにぶつかるまで歩いたが、取り壊された建物が幾つか見えただけでカラオケどころか人影すらなかった。どうやらカラオケ置屋は無くなったようだ。代わりにすぐ隣に洒落た真新しいモールができていて健全な空間が形成されていた。
しばらく歩いてエアコン・バスターミナルの所在と翌日利用するビエンチャン行きの窓口を確認してから、次にコンケンホテルに向かった。目的はコンケンホテル内にあるコヨーテバーの『ハーレム』だ。大きな駐車場を抜けてホテルの扉を開けると、それらしきコヨーテバーを発見したが灯りが点いていない。時刻は20時半だ。近くの警備員に聞くと、21時から営業開始で、ショーは23時からと親切に教えてくれた。次に、コサホテルの西側にあるバービア地帯へ向かった。通り沿いに、合計十数店舗ほどだろうか。思ったよりバービアは店舗数が少なく、一つのバービアあたりの女も少ないし、客なんだかバーの女なんだか分かりづらい。レベルは低く年齢層も高めのようだ。次は『RAD』近くのカラオケ置屋ゾーンを調査したが、女が全くいない。灯りだけ点いた誰も居ない謎な店舗や親父が一人寝転がっている意味不明な店舗、あとは民家や商店が並ぶだけである。21時頃や22時頃や24時頃にもここを調査してみたが、女は誰もいない。このカラオケ置屋群も壊滅したようだった。
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『RAD』のある通りを南下し、21時にレストラン「WINE22」に入ってみた。バンドによる生演奏や大型プロジェクターによるサッカーの放映があったりムードある雰囲気で、そして何よりセクシーなビアガールが何人も闊歩している。大きな屋外スペースと店内スペースがあり、どちらも混んでいた。ガイヤーンを頼んだつもりが、きれいに盛り付けされた一口サイズの唐揚げ手羽先が出てきた。さすが洒落た店である。店名のワインではなく小生はビールを注文。近く座った金持ちそうな地元客はワインを頼んでゆっくり楽しんでいるようだった。ビアガールはみんな可愛く、美人系のお顔や、セクシーな格好、ムチムチな太ももやプリンとしたケツを鑑賞しながらビールを飲んだ。唐揚げ手羽先とビールで220バーツほどだった。既にホロ酔いで『RAD』のある通りを北上し、「Blue’s Bar」の斜め向かいに、色気のあるお姉さん数名が店先にいる店を発見した。わくわくしながらお姉さんと一緒に入店して階段を上がり個室に案内されるとカラオケがあった。カラオケに興味の無い小生は、ごめんなさいをして店を出た。「コヨーテバーは近くにある?」と聞いてみると『RAD』との回答だった。
いよいよ楽しみにしていたコヨーテバーに潜入である。G-DIARYのコンケン最強マップで『RAD』と書かれた場所にコヨーテバーがある。実際に該当の場所に行ってみると、そこは洒落たレストランやバーなど4つの施設で構成された『Rads COMPLEX』というエンターテイメント・コンプレックスだった。目当てのコヨーテバーは4つの施設のうちの一つ、『MONROE CLUB』のようだ。22時過ぎに『MONROE CLUB』に潜入した。夜が更けるのを待ち、頃合の時間と思い入店したがまだ早過ぎたのか、音楽は鳴っているものの誰も踊ってないし客も2~3名ほどしかいない。コヨーテバー『MONROE CLUB』は大きなステージがあり、店内は広く、洒落た雰囲気も感じられるが、客がいないので寂しい。ただ、水着姿のコヨーテらしき女の子がたくさん客席の一角に座っていて気になる。たまに通りかかるコヨーテ嬢をガン見すると、Tバックでお尻がプリンである。生ビールはないとのことでシンハの小瓶を頼み(150バーツ)、飲みながら盛り上がる時間を待つことにする。30分ほど待っていると、8人のコヨーテが2階ステージに並び10分ほどセクシーダンスを始めた。それが終わると正面ステージ脇の小さなステージで、一人ずつ交代でセクシーダンスである。だいたい10分ほどで次のコヨーテが現れる。が、一人でセクシーダンスを踊るのはみんなレディボーイのようだ。レディボーイの完成度はまあまあだが、背が高いうえにヒールを履いていてデカイ。ママさんが連れてきて小生の隣に座ったコラート出身という子もレディボーイだった。きれいな顔をしているが、手の骨っぽさと背の高さは間違いなくレディボーイだ。店内を観察したところ真性の女で可愛いコヨーテもいるように思ったが、一人でセクシーダンスするのも、小生の隣についたのもレディボーイで残念だ。また、ハウスが大音量で鳴り響きたくさんのコヨーテ嬢がガンガンに踊っている楽園を勝手に想像していたが全く違った。選曲は悪くないし重低音は効いてるものの、ヒップホップや流行のダンスミュージックで一人ずつセクシーダンスを踊っているだけで退屈だ。さらに23時半ごろからはバンドによるライブ演奏が始まり、退屈さが極まって店を出た。隣に座ったレディボーイはドリンクのおねだりが執拗だった。最初にレディボーイにドリンクを2杯おごったが、その後はずっと断り続ける必要があり鬱陶しいこと甚だしい。シンハ2瓶300バーツ、レディドリンクのショットドリンク2杯400バーツ、合計700バーツ。楽しみにしていた『Rads』のコヨーテバーは燦々たる内容だった。
24時にコヨーテバーを出てホテルへ帰る途中、バービア地帯に立ち寄ったが半分ほどのバービアはもう閉まっていた。結局、コンケン現地調査で目にしたのは、2つの置屋地帯が壊滅したこと、辛うじて立ちんぼを2人見かけたこと、バービアの規模の小ささとレベルの低さ、コヨーテバーのつまらなさ、という超低調ぶりだった。同じイサーンのウドンターニは置屋がほぼ壊滅状態だったようで、軍事政権になって以来、タイ地方の夜遊び状況は寂しくなる一方だ。ここコンケンの夜遊びももう終わってしまったようで、少なくともわざわざ遊びに来る場所ではないことが分かった。