【爆走迷走録・彩(1年間に6回通ったサイパンの最終章)】

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2005年11月中旬、前回のサイパン渡航から1カ月も経過していなかったが、小生はサイパン行きの機上の人となっていた。クリスティはすでにサイパンからフィリピンの故郷パンガシナン州ダグーパン(Dagupan)へ帰国していたものの、小生が友人ら2人を誘って数ヶ月前に予約していたサイパン旅行の日を向かえサイパンへ飛んでいた。この年、小生は6回目のサイパン渡航だった。

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【爆走迷走録・華(クリスティとフィリピンパブはサイパンの華)】

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チェリーはフィリピンにいたときはバンドのシンガーをやっていたようで、歌の上手いフィリピーナたちの中でも彼女の歌は特に上手かった。そんなチェリーはフィリピンパブのショータイムでシンガーとしてステージで歌を披露していた。小生がフィリピンパブに通うようになった2005年はフィリピン人への興行ビザ発給が急に厳しくなり、最後のタレントたちが来日していた時期だった。それまで大挙として来日していたフィリピン人が、アメリカ様の指摘のせいで情けない日本政府が手のひらを返して興行ビザの発給を絞ってしまった頃だ。日本のフィリピンパブが衰退を始める時代の直前だったため、小生の住む歓楽街もフィリピンパブ群雄割拠の様相だった。数え切れないほどのフィリピンパブが乱立していた。

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【爆走迷走録・祭(脳内フィリピン祭りは過熱し続ける)】

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チェリーと恋人の関係になって2~3週間後の2005年7月某日、小生が恋仲にどっぷり嵌ったのを十分に確認してから、ベッドで抱き合っていた彼女が真面目な顔をして告白した。「フィリピンに子供がいるの。」3歳になる男の子がいると言う。「子供がいるのが嫌なら別れても良い。でも、私を愛するように子供のことも愛して欲しい。」父親になったことのない小生に、ましてや会ったこともない子供を愛することなんて無理だ。「それじゃあ、子供がいるのは嫌だから別れよう」と言えるはずがないことをチェリーは見抜いていた。なにより小生の心はもうチェリーにしっかり捕まれていた。今から思えばその時別れるなんて許されるはずもなかったろう。こうしてチェリーとの関係は続き、より深い愛憎の沼地を進むことになった。

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