【失われたアジア旅の原点】

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10時半にチューンホテルをチェックアウトした。ホテル前で客待ちしているタクシーは空港まで500ペソと吹っかけてくる。相手にしないと300ペソまで下がったが無視してブルゴス通りで流しのタクシーに乗った。空港までメーターで150ペソだった。最後に手元に残った4500ペソをJちゃんにあげた。彼女は躊躇するような表情をみせたが、「いま仕事ないでしょ?」と言って受け取ってもらった。

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「日本に帰らないで。私が働くからずっとそばにいて。」と今でもJちゃんは言う。その気になれば全てを放り出して、フィリピンでひも生活になることもすぐに可能なように思った。空港で3時間ほど過して、涙ぐむJちゃんに見送られて出国エリアへ。小生も以前ならもっと感傷的な気分になれたはずだった。日常生活で完全に失われてしまった感情の起伏、つまり感動なり感激なり精神的肉体的快感なり心躍る高揚感なり感傷的な気分なり恋の激情なりを味わうのが小生の旅だったが、それが最近薄れてきている。

今後の旅はどうするか。アジア徘徊をするようになって、人生は選択に満ち溢れていることを知った。いつどこへどんな過ごし方をするのか全て小生の選択に委ねられている。ゴーゴー巡礼の終焉地に達したことは先日ついに認めた。馴染みの娘に会うか、新たな土地で新たな体験と刺激を求めるか。アジア徘徊を始めて4年以上が経って、脳内麻薬が異常分泌される体験が減ってきた停滞期の中、旅立つか否か、どこへ行くか、どんな時間の使い方をすれば原点に回帰できるのか。

最後にセブパシの洗礼を受けることになった。関空発マニラ行きは30分のディレイだったが、関空への帰りは90分のディレイと電光掲示板に表示されていた。搭乗に至ってやっと出発かと思えば、離陸の高速滑走中に急ブレーキ。心底肝を冷やした。機材のトラブルとかで駐機場に戻り、待たされることになった。こうなるともう何時間遅れでもいいから飛んでくれと願う心境になってくる。しばらく待った後で別の機体に乗り換えることになった。結局、3時間ディレイで飛び立ち、関空に着いたのは23時だった。

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何度も搭乗したLCCのエアアジアではディレイに遭遇したことはほとんどなかった。セブパシはディレイが日常茶飯事だし、フィリピン航空は欠航にディレイに散々な目にあうことばかりで高価格に反する悪質サービスでコストパフォーマンスは断トツに最悪だ。マニラ行きのジェットスターでは欠航の災難にあった。LCCの中でエアアジアが優秀なのか、あるいはディレイや欠航はフィリピンクオリティがもたらす結果だと思った。

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