成田空港で、いつものように4階直通エレベータで出発フロアにあがって、セルフチェックインマシンで発券を済ませた。夕方の便が多いデルタ航空はいつものようにカウンターが人混みで溢れていた。小生は預け荷物が毎回ないので発券まで5分ほどで終わる。荷物が少ないと色んな場面で恩恵を感じる。マックで空腹を満たし、本屋をぶらつく。北ウィングの出国ゲートに長蛇の列が出来ていたので、南ウィングへ行くと、手荷物検査場もイミグレもがらがらだった。この偏り具合、さすが成田空港である。遅れることが多いデルタだが、この日は定刻に出発。デルタは以前より機内食がマシになった気がする。オンデマンドの映画を2本見るともう香港が近づいていた。
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22:10に香港国際空港に到着。ガイガーカウンタらしきものを持った職員をみかける。原発事故による放射能汚染を気にしているようだ。到着フロアにある数少ない飲食店と免税店は徐々に店じまいをしていた。長い列が出来ているイミグレを尻目に前回と同様に長いすに陣取った。靴を脱ぎ深めに座って、持参した文庫本を広げた。香港を舞台にした橘玲の「マネーロンダリング」を香港国際空港で読むというのも乙なものだ。22時、23時台はフライトがまだまだあるようで、人の往来が多い。24時を回ると到着フロアはだんだん静かになってきた。1時ごろ横になって、1~2時間おきに目を覚ましながら睡眠を取り、6時になったところで起きることにした。
早朝のフライトが次々と着陸しているようで、人の往来が戻り、イミグレにまた長い列が出来ていた。一旦、香港へ入国してそのままセブパシフィックのカウンターへ向かう。セブパシフィックのようなLCCだとトランジットのカウンターがないようなので、一旦入国して搭乗手続きを行うことにしたわけである。ちょうどオープンしたカウンターでチェックインを終えて、すぐにまた出国手続きである。
カフェで60HK$のLight Breakfastセットをゆっくり食べてると旅をしてる実感が沸いてきて一人ほくそ笑んだ。思えば、ゆっくり朝食を楽しむことができるのは旅の時ぐらいだ。平日は時計と睨めっこしながら朝食を喉にねじ込むか、オフィスでパソコンをしながらパンをかじるかである。休日は気を失ったように眠り、朝食と言える時間に起きた試しがない。マニラへ向かうセプバシ機は3-3列の小さめのエアバス機。座席はほぼ埋まっていた。8:25の定刻どおりの出発だった。
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シルバーウィークの1週間は早々に香港行きの航空券を抑えていた。あとは香港からアジアのどこへ夜遊びの出撃をかけるかゆっくり考えるつもりでいた。ところが、Jちゃんに出会って以来、彼女に骨抜きにされていた小生は考えるより前に出撃先をフィリピンに決めていた。小生の最も愛するパタヤという選択肢もあるが、パタヤのZちゃんにばったり会うのを小生は恐れていた。Zちゃんへ連絡するのを止めてから2ヶ月ほど経っていたが、まだSMSがたまに届いていた。それでパタヤという候補地も無くなった。
Jちゃんからは次の機会には母方の田舎であるレイテ島に一緒に行こうと誘われていた。Jちゃんの父方の実家は隣りのサマール島で、海がとても美しく電気が通っていないような田舎でゴロ寝の生活という。一方、母方の実家のレイテ島はホテルやモールのあるそこそこ都会的な場所もあるらしい。それとJちゃんが繰り返し強調するのは田舎は食事がとても美味しいということ。地産地消で食材がフレッシュなせいなのだろうか。7月と8月はJちゃんとマニラで過ごしたので、今回は趣向を変えてレイテ島で過ごすことにした。
Jちゃんは8月から工場のようなところで働いていたが、8月末にその仕事を辞めると毎日2通の長文メールが届くようになった。そして、そのメールで遠く離れてるのは嫌だから小生にフィリピンで働いて欲しいとか、レイテ島で一緒に住んでビジネスしようとか色んなお願いが綴ってあった。そんな時、小生は仕事がとか時間がとか様々なことが考えることを遮断するが、Jちゃんにはそれが全く無かった。小生からすると時折、失うものが無い彼女はずっと自由に見えた。
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10時半ごろにマニラ空港に到着した。次はレイテ島のタクロバン行きの11:55、同じくセブパシフィックなのでターミナル3だ。時間が余り無いのですぐにJちゃんと落ち合って、搭乗手続きをしたいところだ。が、こんなときに限ってJちゃんの携帯が圏外だ。歩き回っていると、運良くターミナル内ですぐにJちゃんを見つけることができた。再会の喜びもそこそこに急いでカウンターで手続きを済ませて、搭乗エリアへ向かった。
軽く朝食を取ってから搭乗すると、タクロバン行きの飛行機はほぼ満席だった。セブパシのセールを待ってから購入したので、マニラ-タクロバンの往復2人分で8,000円ほどで購入することが出来た。早めに予定が決まっていると頻繁にやっているセールで購入できる可能性が高い。飛行機は初めてというJちゃんは相当不安そうだ。小生がなだめすかしていると機体は動き出し、まもなくしてレイテ島へ向けて離陸した。