昨晩寝るのが遅かったため小生とＴちゃんが起きたのは昼前ごろ。何も予定を考えていなかったが腹は減ったので取り合えず外出することにした。ローカルな屋台でイサーン料理を食べたいとＴちゃんにリクエストすると、良い所があるとスリウォン通りを西へ歩き始めた。途中立ち寄った薬局でばったりと彼女の友達に会う。小生は全く気付かなかったが同じゴーゴーで働いている友達という。その友達も男連れだった。Ｔちゃんと友達が薬局に入っていったので、連れの男と話すと遠路はるばるアメリカから来たと言う。彼女に会いにタイに来たのはこれで２回目とのこと。小生もＴちゃんに会いにタイを再訪したんだと伝えた。同じくタイに引き込まれた戦友のように思え急に親近感を覚えた。１週間の休暇が今日終わりこれから十数時間かけてアメリカへ戻ると言う。日本が比較的タイに近くて良かったと思った。Ｔちゃんの友達はタイ人らしい小柄な体型で、欧米人好みなきりっとした顔立ちだ。アメリカ人の彼は長身で体格が良く、端整な顔したハンサムガイだ。そんな彼ならはるばるタイに来ることもないんじゃなかと思ったが、遠距離さえ超越するタイの魅力に改めて関心した。
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その薬局からさらに５分ほど歩くと大きな屋台村に到着した。吹き抜けの巨大倉庫のような場所にたくさん屋台が並んでおり、その中からＴちゃんが美味しそうな店を選んだ。ガイヤーン、ソムタムなどを注文する。炭火で香ばしく焼いた鶏肉にかぶりつき、ソムタムは辛味と酸味が効いていて食が進む。汗をかきながらモリモリ食べ、氷入りのビアシンを喉に流し込む。２人で腹いっぱい食べても１５０Ｂ程度。安くて美味しいイサーン料理に小生は非常に満足した。屋台で働く中学生ぐらいの少女が勘定を間違え、安い総額にＴちゃんが気付くと間違いを指摘して正しい料金を渡した。小生はこういった心意気にほろっときてしまう。
安ホテルのシャンプーは気に入らないようでＴちゃんが美容室で洗髪したいと言った。屋台村の前の美容室に入る。日本ブランドのシャンプーやらトリートメントがたくさん並んでいる。それらのシャンプーやトリートメントで洗髪とケアをしてもらい、ドライヤーで丁寧に乾かしてもらうこと１５分ほど。タイの美容室ではこんなサービスもやっているのかと初めて知った。さて、腹は膨れたがすることがない。今思えばその昨日にＴちゃんが提案していたようにコラートへ小旅行するのが良かったように思う。強烈な暑さで立っているだけで汗が吹き出るので、涼しい映画館へ行くことにした。赤シャツのデモでやはりサイアムパラゴンは閉まっていたので、ＭＢＫセンターへ行くと、全く普段と変わりなく営業していた。ＭＢＫセンターに着くと、Ｔちゃんは「ここに初めて来た。あなたは私よりバンコクに詳しいのね」と驚きの発言。彼女は普段どれだけ質素な生活を送っているのだろうか？ライトなホラー３Ｄ洋画と、彼女の怖がる様子は楽しめた。
その夜はこのゴーゴーで初めてコヨーテがダンスしているのを見た。コヨーテ組とゴーゴーガール組が時間ごとにステージを交代していた。コヨーテのダンスを楽しみにしていた小生はじっくり鑑賞した。コヨーテといっても特にダンスが上手いというわけでもなかったが、さすがに良く踊っていた。ゴーゴーガール組には、昼間に会ったＴちゃんの友達もいた。今夜もいつものようにアルコールと音楽とダンスと女体鑑賞を閉店の２時まで楽しんだ。そして当然のようにＴちゃんをペイバーし、小腹が空いたので屋台へ行くことに。生血入りスープの麺（ナムトック）を食べてみたいと言うと、良い屋台があるという。Ｔちゃんと彼女の友達のゴーゴー嬢とスタッフと小生を含めて４人で屋台に向かう。なお、このスタッフの性別は女性だが男のような格好と仕草であり、このゴーゴー嬢と付き合っているらしい。つまり、女２人に男２人だが、同性同士で繋がっているという何ともややこしい４人組みだ。サラデーン駅近くの屋台に到着し、豚骨スープ生血入り麺を注文した。この血入りは精がつくという。ゴーゴー嬢とスタッフに「この後は二人で励むんだろう？」と聞いてみると、男性役のスタッフがそうだとニヤリとした。麺には色々な香草がたっぷり入っているせいか血臭いということはなく、また想像していたほど濃厚なスープということもなかった。彼女ら？彼ら？を真似して香草を手でつまんでむしゃむしゃ食べながら麺を食した。ナムトックを楽しんだ後、ゴーゴー嬢とスタッフとバイバイし、Ｔちゃんとホテルへ戻った。この日もそれなりにタイを体験しそれなりに楽しんだが、以前のような高揚感やワクワク感はいつの間にかなくなっていた。人生に躍動を与える効能が薄れてきたのだ。Ｔちゃんと会うのはこの旅が最後だろうし、しばらくタイを離れて新しい場所に向かう時期だろうと思った。
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